
会議室に設置する音響設備。導入のポイントとは
会議室では、話し手の声が聞き取りやすく、参加者同士で円滑なコミュニケーションをとるための音響設備が求められます。
また、テレワークが広く普及した現在では、会議室と自宅または外出先にいる担当者とWeb会議を行うための音響設備も必要です。
企業や行政機関の施設管理者のなかには、「会議室の音響設備には何が必要なのか」「音響設備をどのように選べばよいのか」と気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、会議室に設置する一般的な音響設備と音響に関する課題、選び方のポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.会議室に設置する音響設備
- 2.会議室の音響に関する課題
- 3.会議室の音響設備を導入する際のポイント
- 3.1.➀誰でも簡単にセッティングできる
- 3.2.②どの座席でも均一に音声が聞こえる
- 3.3.③ノイズやハウリングが発生しにくい音量・配置にする
- 3.4.④音漏れ対策を実施する
- 3.5.⑤Web会議に適した設備・機器を選定する
- 4.まとめ
会議室に設置する音響設備
会議室には、話し手の声を拾って参加者全員に届けるための音響設備が必要です。一般的な音響設備には、以下が挙げられます。
▼会議室に設置する音響設備
音響設備 |
概要 |
マイク |
音声を電気信号に変換する機器 |
ワイヤレス送受信機 |
マイクの音声信号を電波にして、無線で音声を伝送する機器 |
ミキサー |
入力された複数の音声信号をミックスして音量・音質を調整する機器 |
パワーアンプ |
ミキサーから受信した音声信号をスピーカーで出力できるレベルまで増幅させる機器 |
スピーカー |
音声信号を空気振動に変えて実際の音として聞こえるようにする機器 |
オーディオインターフェース |
マイクで拾った音声信号をパソコンやタブレットに伝達して高音質で聞くための機器 |
Web会議ツールを用いてオンライン会議・ハイブリッド会議を行う場合や、会議の音声を録音する場合には、マイクとスピーカーの音を管理できるオーディオインターフェースがあると便利です。
会議室の音響に関する課題
会議室に音響設備がない場合や、現在導入している設備・機器の設置状況によっては、さまざまな課題が生じることがあります。
▼会議室の音響に関する課題
- 音響設備の設定・操作が難しい
- 地声やパソコン内蔵のマイクでは話し手の声が聞こえにくい
- ノイズやハウリングが起きやすい
- 会議中の音が隣室に漏れてしまう
- Web会議で周囲の雑音や音量の差が生じている など
話し手の声が聞こえにくかったり、ノイズやハウリングが起きたりすると、会議の進行に支障が出てしまうほか、クリアな音声を録音することが難しくなります。
また、会議室の広さや建物音響によっては、音漏れ・反響が起こりやすくなったり、座席によって声の聞き取りやすさが変わったりすることもあります。
会議室の音響設備を導入する際のポイント
円滑なコミュニケーションによって会議を進行するには、会議室の構造・形状や広さなどに応じた使いやすい音響設備を導入することが重要です。会議室の音響設備を導入する際に押さえておくポイントには、以下が挙げられます。
➀誰でも簡単にセッティングできる
専門的な知識・技術がなくても簡単にセッティングできる音響設備を選ぶ必要があります。マイクやアンプ、ミキサーなどの接続が複雑になったり、各機器の操作が難しかったりするとセッティングに時間がかかるほか、うまく使いこなせない可能性があります。
各機器の設定や音量の調整、インターネットへの接続などを直感的に行える音響設備を選ぶと、音響システムに詳しい専門の担当者がいなくてもセッティングが可能となり、会議にかかる準備時間も削減できます。
②どの座席でも均一に音声が聞こえる
スピーカーを設置する際は、どの座席でも均一に音声が聞こえるようにすることがポイントです。
会議室の前方のみにスピーカーを設置する場合、後ろの座席まで音声が届かない可能性があります。また、一つのスピーカーで対応する場合、遠く離れた座席で音声のタイムラグが生じるケースもあります。
均一に音声が聞こえる環境をつくるには、会議室の広さや形状を踏まえてバランスよくスピーカーを設置することがポイントです。
▼スピーカーを設置するポイント
- 天井用のスピーカーを設置する
- マルチプロセッサーを導入してメインスピーカーと同時にリアスピーカーで音が聞こえるようにする
- スピーカーを分散配置かつ一元管理して、音量・音質を一定に保つ など
③ノイズやハウリングが発生しにくい音量・配置にする
音響設備を導入する際は、ハウリングが発生しにくい音量・配置に調整することがポイントです。
ハウリングは、マイクがスピーカーの音を拾うことによって生じます。マイクとスピーカーの位置が近い場合や、周囲の雑音・反射音を収音しやすいマイクを使用している場合には、ハウリングが起きやすくなります。
▼ハウリングを防止するポイント
- マイクとスピーカーの距離を遠ざけて対面しないように設置する
- ミキサーでハウリングが発生する周波数帯を減衰させる
- マイクの本数を少なくして音量を下げる
- 周囲の雑音を拾いにくい単一指向性のマイクを使用する など
④音漏れ対策を実施する
会議室での音声が隣室や通路まで聞こえてしまう場合には、音漏れ対策を行うことが欠かせません。
音響設備を用いて行える音漏れ対策には、“サウンドマスキング”が挙げられます。サウンドマスキングとは、特殊な背景音をスピーカーから流すことによって、声を聞こえにくくする音響システムです。
会議中の音声が外に漏れないようにすることで、プライバシーの保護につながるほか、隣室での作業において集中力の妨げになるのを防止できます。
▼サウンドマスキングで流す音の種類
- 川や森のせせらぎ、雨の音、鳥のさえずり
- 楽器や電子機器による音楽 など
また、音響システムによる音漏れ対策だけでなく、吸音パネルの設置や壁・天井の改修などによって防音性能を高めることも併せて検討する必要があります。
⑤Web会議に適した設備・機器を選定する
Web会議を行う場合には、オンラインでの通信を快適に行える機能が備わった音響設備・機器を選定する必要があります。
▼Web会議に適した音響設備・機器の例
- ノイズ除去やボリュームコントロール、自動ミュート機能が備わったマイク
- Web会議に使用する設備・機器を一元管理できるシステム
- アンプに接続して音量・音質をきめ細かに調整できるオーディオプロセッサー など
まとめ
この記事では、会議室の音響設備について以下の内容を解説しました。
- 会議室に設置する音響設備
- 会議室の音響に関する課題
- 会議室の音響設備を導入する際のポイント
会議室では、円滑に会議を進行できるように明瞭でムラのない音響空間をつくることが求められます。
音響設備を導入する際は、セッティングのしやすさを考慮するとともに、均一に音声を聞き取れるスピーカーの設置、ハウリングや音漏れの対策、Web会議に適した設備・機器の選定がポイントです。
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