コラム

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ワイヤレスマイクシステムの仕組み。選ぶ際に確認するポイントとは

会議室や講義室、ホールなどの施設では、座席の隅々まで話し手の声を届けられるようにマイクシステムが取り入れられています。

なかでも有線によるケーブル配線を必要としない“ワイヤレスマイクシステム”は、施設に合わせてセッティングがしやすいほか、取り回しがよく話し手による自由な表現がしやすい利点があります。

施設管理者のなかには「ワイヤレスマイクシステムはどのような仕組みなのか」「施設に合ったワイヤレスマイクシステムの選び方が分からない」と気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、ワイヤレスマイクシステムの仕組みとメリット・デメリット、選ぶ際に確認するポイントについて解説します。


目次[非表示]

  1. 1.ワイヤレスマイクシステムの仕組み
    1. 1.1.➀アナログ方式
    2. 1.2.②デジタル方式
    3. 1.3.③赤外線方式
  2. 2.ワイヤレスマイクシステムを選ぶ際に確認するポイント
    1. 2.1.➀エリア内での同時使用数
    2. 2.2.②指向性
    3. 2.3.③マイクの形状
  3. 3.まとめ


ワイヤレスマイクシステムの仕組み

ワイヤレスマイクシステムは、音声信号の伝送方式によって主に3つのタイプに分けられます。


▼ワイヤレスマイクシステムの種類

種類
伝送方式
アナログ方式
アナログ電波による伝送
デジタル方式
デジタル電波による伝送
赤外線方式
赤外線による伝送


アナログ方式とデジタル方式は、どちらも電波伝送の方式が用いられていますが、音声を電波に変換する方式に違いがあります。

一方の赤外線伝送方式では、電波での伝送を行わず、赤外線の光によって音声信号を伝送してセンサーで捉える仕組みとなっています。


➀アナログ方式

アナログ方式は、マイクで入力した音声を圧縮してアナログ信号のまま電波を送信する方法です。


▼メリット・デメリット

メリット
デメリット
  • デジタル方式と比べてコストを抑えやすい
  • 通信遅延や途切れが起きにくい
  • デジタル電波が届かない入り込んだ場所
    でも通信できる など
  • 音質がデジタル方式よりも劣る
  • 同時使用できるチャンネル数が少ない
  • 混信が起きやすい など


アナログ方式では、同じ空間で複数のチャンネルを使用したり、狭い室内や隣接する部屋で同一チャンネルを使用したりすると、電波の干渉が起きやすくなります。

屋外や体育館などの比較的広い場所において、複数のチャンネルに接続せずにマイクを利用したい場合に適しています。


②デジタル方式

デジタル方式は、マイクで入力したアナログな音声信号をデジタル信号へ変換してから電波の伝送を行い、受信機側で再びアナログ信号に戻して音声を出力する方法です。


▼メリット・デメリット

メリット
デメリット
  • ノイズが少なく高音質
  • 混信や電波干渉が起きにくい
  • アナログ方式と比較してセキュリティの安全性が高い
  • 同時使用できるチャンネル数が多い など
  • 通信の遅延が起きることがある
  • 遮蔽物があると音声が途切れやすい など


デジタル方式のワイヤレスマイクシステムでは、混信や電波干渉の影響を受けにくいため、同じ室内で同一または複数のチャンネルを使用することが可能です。また、デジタルデータに変換して暗号化することで、セキュリティの安全性を確保しやすくなります。

会議室や講義室などのように、建物内で隣接する部屋でマイクを使用したり、同じ空間で複数本のマイクを同時に使用したりする場合に適しています。


③赤外線方式

赤外線方式は、マイクに入力した音声を目に見えない赤外線信号によって伝送する方法です。アナログ方式やデジタル方式ではアンテナによって電波を受信しますが、赤外線方式では受光センサーを設置して電磁波を捉えます。


▼メリット・デメリット

メリット
デメリット
  • 混信が発生しない
  • 電波干渉の心配がない
  • 通信の傍受を防げる など
  • 障害物に弱い
  • 通信の到達距離が短い など


赤外線方式では電波を使用せずに音声を伝送するため、電波伝送方式のワイヤレスマイクによる混信やほかの無線機器による電波の影響を受けにくくなり、安定した通信が可能になります。また、壁や扉などの遮蔽物を透過しないことから、外部からの傍受を防いで秘匿性を確保できます。

オフィスビルや教育施設など、隣接した複数の室内でワイヤレスマイクを使用したい場合のほか、展示会場・コンサートホールなどの電波が集中しやすい場所、機密性の高い会議を実施する施設などに適しています。



ワイヤレスマイクシステムを選ぶ際に確認するポイント

ワイヤレスマイクシステムを導入する際は、使用する施設や目的などを踏まえて通信に必要なシステム環境を検討することが重要です。


➀エリア内での同時使用数

混信による電波干渉を防いで安定した通信を行うために、同じエリア内におけるマイクの同時使用数を確認します。

同じエリア内で複数本のマイクを使用する場合、周波数のチャンネルを変える必要があります。また、複数本のチャンネルを変える際には、同じ周波数グループ内に設定する必要があります。

製品によって使用できる周波数のチャンネルや周波数グループが異なるため、マイクを使用する場所・本数に応じて選ぶことがポイントです。


▼ワイヤレスマイクの代表的な周波数帯域と周波数グループの数

周波数帯域
周波数グループの数
B帯(806-810MHz)
6~10程度
C帯(322MHz帯)
4程度
2.4GHz帯(Wi-FiやBluetoothの帯域)
16程度


②指向性

指向性とは、“どのような方向から音を収音するか”といったマイクの特性を指します。捉えたい音の種類や用途に応じたマイクの指向性を選ぶことが重要です。


▼マイクの指向性

種類
音の拾い方
主な用途
単一指向性
マイクの正面の音を拾う
講演、ボーカル、楽器 など
全指向性
(無指向性)
360°すべての方向から均等に音を拾う
舞台、演劇 など
双指向性
(両指向性)
マイクの正面と背面の音を拾う
対談、デュエット など


例えば、プレゼンテーションや講演会、大学の講義などで話し手が1人のみの場合、単一指向性のマイクが適しています。周囲の音を拾ったり、2人以上の話し手がいたりする場合には、全指向性や双指向性のマイクを選ぶ必要があります。


③マイクの形状

ワイヤレスマイクを設置する場所や用途に応じて、使い勝手のよい機器の形状を選ぶことがポイントです。


▼代表的なワイヤレスマイクの形状

形状
特徴
用途
ハンドヘルド型
マイク本体に送信機が内蔵されており、
手に持って使用する
講演、スピーチ、ボーカル など
ヘッドセット型
マイクを頭に装着して、送信機を
ウエストや背中などに取りつけて
使用する
ライブ、Web会議、セミナー、演劇 など
ラベリア型
マイク本体をクリップで衣類に留めて、
送信機をウエストや背中などに取りつけて使用する
講演会、演劇、スピーチ など
バウンダリー型
楕円形で平たく薄型のマイクを卓上や
演壇に置いて使用する
Web会議、授業、演劇 など
卓上型
スタンド式のマイクを卓上に置いて
使用する
対談、記者会見、店舗での受付 など


両手を自由に動かしたり、移動しながら話したりする場合には、ヘッドセット型やラベリア型のワイヤレスマイクが適しています。設置場所を固定する場合には、バウンダリー型や卓上型のマイクが有効です。



まとめ

この記事では、ワイヤレスマイクシステムについて以下の内容を解説しました。


  • ワイヤレスマイクシステムの仕組み
  • 種類別のメリット・デメリット
  • ワイヤレスマイクシステムを選ぶ際に確認するポイント


ワイヤレスマイクシステムには、アナログ方式とデジタル方式、赤外線方式の3つのタイプがあり、音声を変換するプロセスや伝送方式に違いがあります。それぞれメリット・デメリットが異なるため、どのような施設や用途で使用するかを踏まえて選定することが重要です。

また、ワイヤレスマイクシステムを導入する際は、エリア内での同時使用数や指向性、マイクの形状を確認して使用目的に合った製品を選ぶことがポイントです。

東京通信電設では、オフィスや学校、ホールなどの施設に応じたワイヤレスマイクシステムの導入をサポートしています。施設の形状や隣接環境も考慮したうえで、混信と傍受を防ぐための対策もご提案します。


ワイヤレスマイクシステムの導入事例は、こちらで紹介しています。

  博品館劇場様 ワイヤレスマイクロホンシステム 「博品館劇場」様に導入させて頂いた「ワイヤレスマイクロホンシステム」の事例を紹介いたします 東京通信電設株式会社

また、取り扱っている設備やシステムについてはこちらをご確認ください。

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