AVシステムが備える機能とは? 活用例と導入時のポイント
会議室や講義室、イベント会場などでは、音声と映像を使って情報を分かりやすく伝えるためのAV(オーディオビジュアル)システムが導入されています。
施設の用途に合った音響・映像環境を整備することで、複数人が集まる場所でのコミュニケーションの円滑化と理解の促進につながります。
施設環境の見直しを検討している方のなかには、「AVシステムとは具体的に何を指すのか」「どのようなシーンで活用できるのか」などと気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、AVシステムの概要や主な機能、活用例と導入時のポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.AVシステムとは
- 2.AVシステムが備える機能
- 3.AVシステムの活用例と導入ポイント
- 3.1.➀プレゼンテーション
- 3.2.②Web会議・ハイブリッド会議
- 3.3.③授業や教育研修
- 3.4.④記者会見やセミナー
- 4.まとめ
AVシステムとは
AVシステムとは、音声や映像素材を流すための電子機器を組み合わせた音響・映像システムを指します。“Audio(音声)”と“Visual(映像)”の頭文字をとってAVシステムと呼ばれています。AVシステムの構成はさまざまですが、基本的な設備・機器には以下が挙げられます。
▼基本的なAVシステムの構成
- マイク
- ビデオカメラ
- プロジェクター
- スクリーンまたはディスプレイ
- ミキサー
- スイッチャー
- パソコン
- ブルーレイプレーヤー
- 配線ケーブルや端子 など
また、AVシステムには、各設備の電源を切り替えたり、音量調整を行ったり、映像素材を選択したりといった制御を行う操作端末が備わっています。つまみやボタンが設置された操作パネルのほか、赤外線リモコンやタブレットなどで制御できるシステムもあります。
AVシステムが備える機能
AVシステムには、音声と映像の情報を室内にいる人に聞こえやすく・見やすく伝達するための機能が備わっています。
▼AVシステムが備える主な機能
機能 |
役割 |
映像素材の表示 |
スライドや動画コンテンツ、DVDなどをディスプレイまたはスクリーンに映し出して複数人で共有する |
音声の増幅 |
話し手の声をマイクとスピーカーによって増幅させて、座席の隅々まで聞こえるようにする |
音質・音色の調整 |
ノイズや周囲の雑音を取り除いて、クリアで聞き取りやすい音に調整する |
音声や映像の記録 |
マイクでの収音やカメラによる動画撮影によって状況の記録して、データとして保存する |
空間の演出 |
プロジェクターやディスプレイで映像を流して、目的に合わせた空間づくりを行う |
AVシステムを導入して、話し手の声や映像の品質を均一化すると、遠くの座席からでも内容を理解できるようになり、コミュニケーションの円滑化につながります。
また、音楽に合わせて聞こえ方を調整したり、感性に訴えかける映像表現にこだわったりすることで、訴求力の向上や魅力的な空間演出にも役立てられます。
なお、映像設備についてはこちらの記事をご確認ください。
AVシステムの活用例と導入ポイント
AVシステムは、ホールや講堂などの大型施設のほか、会議室、執務室、公共施設、学校などのさまざまな場所で導入されています。
➀プレゼンテーション
会議や講義などでプレゼンテーションを実施する際に、AVシステムを活用できます。プレゼンテーションでは、伝えたい情報を聞き手に対して分かりやすく訴求することが求められます。
紙媒体の資料を配布して地声で説明を行うだけでは、「話している内容に対して資料のどこを見れば分からない」「声が聞き取りづらい」などの問題が生じる可能性があります。
AVシステムを整備して、拡声と映像による情報提供を行うことで内容が伝わりやすくなり、聞き手の理解を促進できます。
▼プレゼンテーションにおけるAVシステムの活用ポイント
- 話し手は両手を自由に表現できるマイクを使用する
- スイッチャーを活用して、映像やスライドの画面切り替えと演出を行う
- BGM・効果音が心地よく聞こえる音量に調整する など
なお、社内のプレゼンテーションに使用するAVシステムを導入した事例については、こちらをご確認ください。
②Web会議・ハイブリッド会議
AVシステムは、Web会議・ハイブリッド会議を円滑に行うために活用することが可能です。パソコンに内蔵されたカメラやマイクで通信を行う場合、画質・音質が悪くなり「表情が見えにくい」「声が聞き取りにくい」といった問題が起きることがあります。
Web会議・ハイブリッド会議に対応した設備・機器を導入することで、離れた場所にいる担当者と高画質・高音質での映像をやり取りできるようになり、スムーズなコミュニケーションにつながります。
▼Web会議・ハイブリッド会議におけるAVシステムの活用ポイント
- 映像の明るさを自動で調整できるWebカメラを使用する
- 座席数やレイアウトに応じてWebカメラの配置を柔軟に変える
- 複数人が参加するWeb会議では集音マイクを利用する など
なお、会議室に設置する音響設備についてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
③授業や教育研修
学校での授業や企業向けの教育研修を実施する施設にもAVシステムが活用されています。授業や教育研修では、講師の声が聞こえにくかったり、教材だけで説明の内容を理解するのが難しかったりすることがあります。
AVシステムを導入することで、後ろの座席でも講師の声がはっきりと聞き取れるようになります。また、教材の要点をまとめたスライドや教育動画をディスプレイに流すと、説明内容について視覚的な理解を促せます。
▼授業や教育研修におけるAVシステムの活用ポイント
- 質疑応答ができるように各座席に卓上マイクを設置する
- 映像素材や画面の切り替えができるスイッチャーを活用する
- 研修の様子をカメラで撮影して振り返りに活用する など
④記者会見やセミナー
AVシステムを構築して、記者会やセミナーを収録・配信するスペースとして活用することも可能です。
オフィスや官公庁施設などの一室をスタジオとして活用できるようにAVシステムを整備すると、セッティングの準備に時間をかけることなく、リアルタイムに記者会見、セミナー配信を行えます。
▼記者会見やセミナー配信におけるAVシステムの活用ポイント
- 司会者・記者・会見者に応じたマイクの形状を選ぶ
- 室内で電波が混信しないようにチャンネルを調整する
- 会見者に合わせてカメラの撮影位置・画角を調整する など
なお、ワイヤレスマイクシステムについてはこちらの記事で解説しています。併せてご覧ください。
まとめ
この記事では、AVシステムについて以下の内容を解説しました。
- AVシステムの構成
- AVシステムが備える機能
- AVシステムの活用例と導入ポイント
オフィスや学校、官公庁施設などでは、音声と映像を効果的に活用するためのAVシステムが取り入れられています。どのような目的で活用するかによってAVシステムの構成は変わるため、用途に応じて設備・機器を選定することが重要です。
また、設備・機器の選定に加えて、快適な視聴環境をつくるための音響・映像システム設計も必要になります。施設に適したAVシステムを構築するには、専門事業者に依頼することが有効です。
東京通信電設では、オフィスや学校、官公庁施設などにおいて、円滑なコミュニケーションと意思決定に役立つAVシステムの導入をサポートしています。施設環境や用途に応じた音響・映像システムの設計から設備・機器の選定、施工に至るまでお任せいただけます。
詳しくは、こちらのページをご確認ください。
また、AVシステムの導入事例についてはこちらで紹介しています。